映像制作のボーダーレスの秘密

岡本 良太
岡本 良太
ご当地情報・東日本編
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都内の富士見スポットを見に行ってきました 前編

 

編集長「東京には“富士見台”とか“富士見坂”とか、富士山が見えるってことを謳ってる地名が結構たくさんあるんだよ。本当かどうか、ちょっと行って見てきてくんない?」

福岡支社からはるばる東京に出張中の僕に、編集長からこんな指令が下された。

浅草寺に辿り着くのさえヒト苦労、なんていう東京オンチな僕が、そんな聞いたこともないような場所を調査するなんて無謀!

 

--だいたい編集長は東京都民なんでしょ?1回ぐらいは見たことあるんですか?東京で富士山の勇姿を!

編集長「いや、俺はたいてい下を向いて歩いてるから。」

 

ダメだこいつ。

 

そんなこんなで『富士見スポットは本当に富士山が見えるのか?』調べてきました。

神田小川町・富士見坂

まずリストに挙がっていたのは、神田小川町というところにある『富士見坂』

神田といえば、僕みたいな田舎者でも知ってます。古本屋さんで有名な街ですよね。

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今回の出長中にいっぺん行こうと思っていたんですよ、神田。

たしかにあっちこっちに古本屋さんが並んでいて目移りします。

 

…で、目移りしている間に、すっかり道に迷ってしまった!そして、こんな時に限ってスマホの充電も危うい状態。

どうしたものか・・・と思案しているところに、目に飛び込んできたのが“ガソリンスタンド”。

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今から20数年前、僕はガソリンスタンドでバイトしていました。

その昔・・・スマホもタブレットもなく、そして今ほどカーナビも普及してなかった頃って、ガソリンスタンドは街の案内所も兼ねていたもんです。

なので、ちょっと年季の入ったスタンドには、街の隅々のことが詳しく書かれた“地図帳”が置いてあるし、「道をちゃんと教えるのも大切な仕事だ!」と社員さんによく注意されてました。

こういう雰囲気のスタンドなら間違いないでしょう。

 

--すいませーん、小川町の富士見坂ってどこですか??

思った通り!奥から懐かしい感じの大きな地図帳を出して、すごく丁寧に教えて下さいました。

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共栄石油小川町SSの皆さま、ありがとうございました!やっぱり最後に頼れるのは人情です。思い出用に一枚パチリと。

 

で、教えていただいた場所に辿り着いたんですが、

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確かに名前は『富士見坂』です。が、富士山どころか空さえも狭いコンクリートジャングルではないですか?

近くを歩いてる人に「ここから富士山見えますか?」と尋ねて回ったんですが、みなさん「いや私、この辺りの者ではないので」と素っ気ない感じ。

 

東京砂漠を実感です。

 

ようやく、近くのお店の年配の方にお話を聞くことができたんですが、

「戦後の焼け野原になってたころには見えてた、ってことだけど。」

う~ん、ここはダメっぽいです。

この場所でサクッと終わらせて、適当に喫茶店で時間を潰そうと思っていたのですが・・・

いちおう、戦後まもなく富士山が見えたであろう方角に向かって一枚パチリ。

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目黒区・富士見坂

もう一つ、港区にある『富士見坂』というところにも行ってきたんですが、こちらも全く何も見えず。

それどころか、「へー、ここって富士見坂っていうんですか?」などと逆質問される有り様。

 

時間もどんどん無くなっていく。もう一発勝負に賭けるしかない。

ちょっと遠いけど、思い切って目黒区にある『富士見坂』へと移動。

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目黒駅降りてすぐの街並み。そういえば『白金台』っていう駅もすぐ近くにありましたね。

昔でいうところの「シロガネーゼ」ですか?たしかにこの辺り、ちょっと上品な感じというか、清らかな感じが漂っています。

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さっそく調査開始。ひときわ上品な奥さまとお母さまに声を掛けてみる。

 

--あのー、この辺りに富士見坂っていう場所はないですかねー??

「富士見坂という名前なのかどうかは分かりませんが、この先にクッキリと富士山が見える場所がありますよ」

 

今日だけでもう何十人と声を掛けて、やっと核心に迫る言葉だよ!!

しかも案内してくださるそうだ。親切すぎますよ、やっぱり最後は人情だ!

 

で、連れてきていただいたのが・・・

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ううーむ、ちょっと雲が多すぎて写真には写らない!

が、よーく目を凝らして見ていると、ごく稀に、ちょっとだけ富士山の輪郭らしきものが見える・・・気がする?

 

「あーん、残念ですねー、今朝もクッキリと見えていたんですけどね…」

と、我が事のように残念がられるセレブ奥さまとお母さま。

 

お話を総合すると、

○この時期(1月~3月あたり)は、空気が澄んでいてとてもよく見える。

○早朝と夕方なら、ほぼ毎日のように見ることができる。

○しかも、遠くのほうにチョコっと見えるのではなく、まるで掴みとれるかのごとくはっきりと見える!

 

「この辺りは東京23区でも高台になっているほうなので…ちょっと上の方の、背の高いマンションだったりしたら、家の中からもよく見えるそうですよ、富士山も六本木ヒルズも…」

 

六本木ヒルズ!

 

夕方までここで粘ろうかとも思ったんですが、この言葉を聞いて腹が決まりました。そうやっ!高いところに昇れば、富士山だって見渡せるに違いない!

 

いろいろと情報をくださった、素敵なセレブ奥さまとお母さま。

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お母さまは、お出掛けの時にはフクロウのぬいぐるみを連れて行かれるそう。とってもチャーミングな方でした!

本当にありがとうございました!!

 

六本木ヒルズ

いよいよ来てしまった。もちろん生まれて初めての場所です、六本木ヒルズ。

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で、これがヒルズっていうの?えっ!?森ビル?

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これだけ高い所に昇れば、絶対に富士山が見えるでしょう!

意気込んで『ヒルズ展望台はこちら』と書かれた看板に歩み寄る僕。

 

しかし、ここで、僕ならではというか、お得意のクジ運の弱さというか、ヒキの甘さを発揮してしまうのだった。

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あぁ・・・やっぱり僕には見れないんでしょうか?東京23区で富士山って・・・

 

編集長「富士山の写真を撮るまで戻ってくるなよ?」

 

こんな声が自然と聞こえてきます・・・

 

後編に続く

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