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映画で観る『バンドブーム』(その1)

この『ボーダーレスの秘密』サイトの音楽カテゴリーでは、ここまで、“バンドブーム”について掘り下げていっています。

ブーム当時に活躍したバンドと、その音源について紹介してきているのですが、今回は少しお休みして、バンドブームをテーマにした映画をいくつか紹介していきたいと思います。

 

80~90年代の音楽シーンを取り巻く環境や、バンドマンたちのロック・音楽に対する姿勢などが描かれた映画を観ることで、このコーナーで取り上げたバンドのことが、さらに深く理解できるようになると思います。

当時、音楽にどっぷりとハマっていた人はもちろん、あの頃の事を知らない若い人たちでも楽しめる作品を中心に選んでみました。

 

少年メリケンサック(2009年公開)

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脚本・監督は宮藤官九郎。
出演は宮崎あおい、佐藤浩市、田口トモロヲ、勝地涼。

 

かんな(宮崎あおい)はメジャーなレコード会社で新人発掘を担当している落ちこぼれ社員。彼女がネット動画で偶然見かけた謎のパンクバンド『少年メリケンサック』をデビューさせるべくコンタクトを取ってみたところ、その動画は実は25年も前のもので、目の前に現れた彼らは全員がどうしようもないボロボロの中年オヤジばっかりであった・・・

 

バンドブーム当事に、よくある出来事で不完全燃焼のまま解散してしまったバンドマンたちが、中年になって、あの頃の想いにケリをつけようとする映画です。

至る所にギャグが散りばめられていて、ドタバタのコントのままスピーディーに話は展開していきますが、時にグサッとくる名セリフや名シーンが織り込まれており、まさにクドカンワールドの傑作でもあります。

 

ボーカル役に、元『ばちかぶり』、『ガガーリン』といったパンク(時にファンク)バンドのリーダーであった田口トモロヲ、かつてのマネージャー役に元『人生』(現在の「電気グルーヴ」の前身ともいえるバンド)のピエール瀧(『人生』時代は“畳”と名乗っていた)。

そしてチョイ役に『スターリン』の遠藤ミチロウや『アナーキー』の仲野茂、『THE STAR CLUB』のHIKAGEなどなど、バンドブーム時代のスーパースターたちが出演。当時の空気を伝えるのに一役買っています。

 

近年、バンドブーム時にチャートを賑わせたバンドたちの再結成というニュースがいくつも起こりました。

お金に困って再結成したなどと、一部には口悪く言われたりもしていましたが、実際のところ、バンドの解散と再結成って、意外とこの映画みたいなみたいなものなんだろうなぁ、と思わせてくれたりもします。

バンド好きな人はもちろん、実はロードムービー要素もあったりして、意外とコメディ映画好きな人にもオススメかも?

 

アイデン&ティティ(2003年)

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監督は田口トモロヲ、脚本は宮藤官九郎。
出演は峯田和伸(銀杏BOYZ)、麻生久美子、中村獅童。

 

バンドブームに乗ってメジャーデビューを果たした『SPEED WAY』。ギターの中島(峯田和伸)は世間にウケる歌、売れる歌を作らなければならなくなり、自分の思い描く“ロック”とのギャップに苦悩する日々。そんな中、彼のボロアパートに、彼にしか見ることのできない“ボブ・デュラン”が舞い降りてきて・・・

 

みうらじゅんの同名漫画が原作です。この漫画は90年代のサブカル世代にはよく知られた漫画だったので、03年の映画化はバンドブーム世代の一部の人間には待望の映画化でもありました。

みうらじゅんは『大島渚』というバンドで“イカ天”出場経験あり、監督の田口トモロヲも上記の通り元パンクス(バンドブーム末期には、みうらとトモロヲで『ブロンゾンズ』というバンドというかユニットも組んでいました)、主役の峯田和伸は元『GOING STEADY』で現『銀杏BOYS』という、バンドマンたちの手による“バンド愛”に満ちた作品でもあります。

 

よくあるバンド間のモメ事、痴情のもつれ、“メジャーデビューできても風呂なしアパート”という金銭問題、売れる為の曲作りの強要などなど、当時の音楽業界の出来事が面白おかしく、時には切実に描かれており、バンドブーム当時をよく知る人なら、いろんな意味で納得の一本かも?

ですが、基本は“青春の葛藤”を描いている作品なので、これから人と違う人生を送ろうと思っている若い人にも充分に楽しめる映画だと思います。

意外とロックがハマっている中村獅童、今よりも少しふっくらとして優しい雰囲気の麻生久美子など、演者の顔ぶれも一見の価値あり。ちなみに、居酒屋の大将役で三上寛も出演しています。

 

余談ですが…原作の漫画のほうもオススメ。とても面白いです。漫画版『アイデン&ティティ』はその後も続編が描かれていて、バンドブームを通り過ぎていった人たちの“祭りのあと”が、かなり切なく描かれています。

 

 

(その2)に続く

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