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元祖・日本の夏カクテル『柳蔭』を再現!【後編】

>【前編】はこちら<

今では調味料として使われることが多い、味醂(みりん)。かつては“甘さを楽しむお酒”として、日本酒や焼酎のように普通に飲まれていたそうですが。

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甘い!とにかく大甘です。わらび餅や団子にかける黒蜜のような甘さ。色もちょっと似てるかも。さすがにこんなに甘いと、お酒として飲む気にはなれんよなぁ…

計量カップに味醂と米焼酎を100mlずつ投入。つまりこれで味醂:焼酎は1:1の割合。

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色はかなり薄くなりましたが…味見してみると、とにかくまだまだ甘い!!

ただ、このくらい薄めるとよく分かります。砂糖の甘さとは少し違う、もっとマイルドな甘さ。蜂蜜などのような、自然の甘味です。ツンツンしてないんですよ、味醂の甘さって。

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ラベルに書かれている原材料は、もち米と米麹と米焼酎のみ

コンビニやスーパーで普段よく見かける『みりん風調味料』には、いろいろな旨味成分などが混ぜられていますが(たぶん、酒税との兼ね合いがあるのだと思います)、この、「飲むための味醂」には、そういうものが一切入っていません。

お米だけで、こんなにも甘い飲み物が作れるものか!?と感心しつつも、

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さらに味見を重ねて、味醂100mlに米焼酎200mlの、1:2の割合に。300の目盛りを少し切っているのは、何度も味見をしたからです。これでもまだ甘い!黒糖焼酎よりも甘いぐらい。

でも、甘みって、冷たくすれば感じにくくなるものが多いし。それに、普通のお酒と違って、これは『夏の飲み物』ですから、多少は甘味強めのほうが雰囲気だろうと、

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ひとまずこの割合にて納得。本当は井戸水で冷やすのが柳蔭の流儀みたいですが、さすがにそれは無理なので、冷蔵庫へと。

あとは冷やして、いよいよ柳蔭の完成よ!…と言いたいところですが、ここで1点、ご注意を!!

酒税法にご注意を!

カクテルって、実は違法になる場合があるというのをご存じでしょうか?

簡単に説明すると、『お酒に何かを加える→別の種類のお酒になってしまう=無免許でお酒を作っている』になりかねない、ということ。これは“酒税法”という法律に引っかかる可能性があるそうです。

 

でも、それじゃあ「焼酎に梅干を入れたり、絞ったレモン果汁を混ぜてはいけないのか?」とか、もっと細かいことを言えば「日本酒を飲んだグラスを洗わずに、その上にウイスキーを注いだら違法か?」という話になってきますよね。

このあたりの詳細は、国税庁のホームページの『酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達』の第43条、『みなし製造』という項をご覧くださればと思います…たぶん、何が何やら分からないと思います。僕も書いてあることがぜんぜん理解できませんでした。。。

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なので、いろいろと、お酒に詳しいプロの方に尋ねてみると、要は無免許であっても『個人で楽しむ(=販売しない)』ことと、『作り置きせず、その場ですぐに飲む』を守っているならば問題ないということでした。(作り置きしていると、場合によっては密造酒を“所持”しているとみなされることもあるそうです)

ご飯や果物などを放置していて、知らない間にアルコールが出来てしまう場合もあるでしょうし。素人目にも解釈が難しい法律だと思います、この酒税法って。なので、この“柳蔭”を作ってみたいという方、『その日のうちに飲んでしまえる量を、あくまでも自分個人のために作る』という点にご注意いただきたいと思います。

味見だけで酔っ払ってしまう!!

冷えるのを待つ間、今回撮った写真の整理をしたり、文章を作ったり、休み明けの仕事の準備(この日は土曜でした)もしたいしなぁ…などと考えながら、ひとまずパソコンの電源をオンしたのですが。

あれれ?なんかフラフラ、ポワーンとしてるし…オレ今もしかして、これって酔っ払ってるのか!?

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改めて、味醂のラベルを見てみると…アルコール度数13.5%。一般的な日本酒がだいたい15%程度だから、ほとんど同じぐらいじゃないか!!

そして、この味醂を割るのに使った米焼酎もアルコール度数20%ぐらい。いくら味見程度とはいえ…すきっ腹の真っ昼間に、写真撮ったりアチコチ歩き回ったりしながら、これだけのキツいお酒を飲んでいたとは。

甘さと、“みりん”という肩書きにダマされたというか。ナメていたというか。

 

もし、柳蔭をご自分でも試してみたい、と思われている方、ここも本当に要注意です!甘いので、ついつい多めに味見してしまいがちですが、かなり酔います!!

車の運転を控えているという時などは、特に特に注意が必要だと思います。そして、今回の僕のように、後に仕事を抱えているという方も。労働意欲がきれいサッパリ失われること請合いです。

柳蔭、完成!!

『作り置き』がどのぐらいの時間を差すのか分かりませんが、とりあえずガンガンに温度を下げた冷蔵庫内で30分ほど冷やして…

今日が休みの日でよかった!会社で試さなくてホントよかったです。この時点でかなりゴキゲンさんになってます。味見しただけなのになぁ。

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冷蔵庫から取り出して。写真では判別しにくいかもですが、計量カップを水滴が潤していてヒンヤリ感満点。いかにも夏のお酒に仕上がっています。

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いよいよ待望のひと口…おお、“口当たりのよい酒”って、こういうことなのか?と改めて実感。すごく飲みやすいです。冷やす前の味見のときよりも、さらにマイルドになっている気が。30分ほど置いただけで、2つのお酒が馴染んだということでしょうか。

近いところを挙げるなら、黒糖焼酎や梅酒のテイスト…でも、そこに味醂の旨味が生きているんでしょう、味も香りも後を引くんですよね。普段あまりお酒を飲まれない人や、焼酎苦手という人にも楽しんでもらえるはず。

 

なんでこんな美味しいお酒が、21世紀の現代では飲まれなくなってしまったんだろか?と不思議に思いつつ、“柳蔭”(関東地方では“本直し”または“直し”など)を作るにあたってのまとめを。

使用する味醂と米焼酎については、酒屋さんに相談を。
コンビニやスーパーで見かける、「みりん風調味料」などとは違います。味醂の区分や呼び名については、僕もよく分かりません。地酒や焼酎に強い酒屋さんに「お酒のようにそのまま飲める味醂ありますか?」という風に尋ねてみることをオススメします。

 

味醂と焼酎の割合はお好みで。基準は味醂1に米焼酎2ぐらいの割合で。
味醂と米焼酎の割合について、いろいろと文献を漁ってみたのですが、当時よく飲まれていた正式な比率についてはよく分かりませんでした。なので、ここは各自のお好みで。ひとまずは「味醂:米焼酎=1:2」ぐらいから始めてみてはいかがでしょうか?

 

車の運転される方、「味見」に気をつけて!
今回の僕のように、慣れないうちは味醂と米焼酎の割合を試すために「味見」を繰り返すことと思います。本物の味醂はかなりアルコール度数高め!完全に“お酒”ですので、車の運転される方は要注意です!

 

よく冷やして飲むのが“柳蔭”の流儀です。
江戸時代は井戸水に漬けて冷やしていたそうですよ。常温の時よりももっと飲みやすくなりますので、文明の利器に感謝しつつ、冷蔵庫でよく冷やして飲みましょう!!

 

まだ甘みが少し強い気もしたし、なんせアルコール度も低くはないですから、

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氷を入れてロックに。

もう少し味醂を濃い目にして、さらに炭酸水で割って、現代風に言うと“味醂チューハイ”もしくは“柳蔭サワー”にしても美味しいかも。濃さや味付けを自分好みに出来るところがカクテルの良いところです。

 

実は・・・またまた味見の段階でかなり飲んでしまい、これを書いている現在もすでに半分心地よく酔っ払い気味になってます。

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クルミやピスタチオなどのナッツ系や、柿の種とか、夏のお酒なのでスズキの洗いなんかも合いそうですが…もうそろそろ、ぐいっと飲んでもいいですかね!?ガマンできない!!

暑気払いに、江戸時代ごろまでは普通に飲まれていた“味醂と焼酎のカクテル”、柳蔭(やなぎかげ)。本物(?)の味醂と焼酎さえあれば簡単に作れますので、これからの残暑に向けて一杯いかが?酒の席でのほどよいウンチクネタにもなると思いますよ!

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