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元祖・日本の夏カクテル『柳蔭』を再現!【前編】

朝夕は少し涼しい風が吹いたりもしますけれど、それでもまだまだ日中は暑い日が続いたりするのが9月…残暑ってヤツですか。夏バテの体には堪えますね、残暑。。。

そんな日の晩酌には、暑気払いにグイッと1杯。ビール?いやいや、もちろんキンキンに冷えたビールも捨てがたいのですが。ここはちょっとだけ変化球を。

『柳蔭』なんていかがでしょうか?

柳蔭とは!?①

柳蔭、“ヤナギカゲ”と読みます。どうもあまり知られていないというか、知名度低めのお酒みたいですね。かく言う僕も、時代小説などにごくごく稀に登場するその名前を記憶していたぐらいで。

江戸時代ごろに飲まれていたお酒?

夏に飲むものらしい。

“味醂(みりん)”を使ったお酒?

井戸で冷やして飲む、冷酒の一種である。

偉そうに知ったかぶりしてみても、柳蔭については、実は僕もこれぐらいしか知識がない…実物を見た事もないし、もちろん飲んだこともありません。

でも、昔から一度は飲んでみたいと思っていたんですよ。これはチャンスかも?せっかくなので、この場を借りて今から再現してみましょう、柳蔭!!

柳蔭とは!?②

ということで、あれこれと調査開始。

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インターネットももちろん使いましたが、どの情報もイマイチ信用度が薄いというか。それにネットの情報だけを頼りにしたなら、他のブログサイトともあまり違わないし。図書館で文献を漁ることに。

他にも老舗の酒屋さんに尋ねてみたりして、かなりその正体が掴めてきました、柳蔭。まとめてみると、

 

『味醂』は、江戸時代ごろまでお酒の一種だった

今ではすっかり調味料として扱われている「みりん」ですが、かつては雛祭りのときに飲む白酒や甘酒のような、“甘味の強いお酒”だったそうです。しかも、同じランクの日本酒などよりも高価だったという資料も。今でいうブランデーみたいな感じか?

 

味醂を『米焼酎』で割ったもの

甘みを抑え、飲みやすくするために(または量を増やすために)、焼酎で薄めた(割った)ものが柳蔭の正体なんだそう。味醂自体もお米から作られているので、米焼酎で割るのが一般的だったみたいです。

 

関東では「本なおし」や「直し」などと呼ばれていた

柳蔭と呼んでいたのは関西地方、いわゆる“上方文化”圏内。時代小説は京都や大阪が舞台になることも多いので、柳蔭が正式な名前かと思い込んでいました。「直し」と聞けば、ピンとくる方も多いかも?

 

冷やして飲む、夏のお酒です!

ここは前もって知っていた通り。井戸水でキンキンに冷やして飲んでいたそうです。日本の元祖・夏カクテルという感じ?

材料の用意を

と、いうことで、さっそく用意しました、

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味醂と米焼酎。今回の主役です。

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まずは味醂。大きな酒屋さんで「調味料じゃなく、飲んで美味しい味醂はどれですか?」と尋ねたところ、こちらをオススメいただきました。

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三河ですから、名古屋の味醂ですね。これには“本みりん”と書いてあります。

スーパーやコンビニなどでよく目にする“みりん風調味料”とは原材料の表示がまったく異なっています。店員さんに尋ねて正解。これまで気にしたことなかったもんなぁ、味醂の違いって。

 

そして、米焼酎。これも店員さんに「オススメの米焼酎教えてください」と尋ねてみたところ、『白岳(はくたけ)』というのを推薦していただきました。

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「よっぽど銘柄を指定されないときは、球磨焼酎をオススメしています。飲みやすく万人向き。それに、熊本県には本当に頑張ってもらいたいので」とのこと。

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くまモンかわいい!…と、いうことで、準備が整いました。

いちおう値段を記しておくと、本みりんが1020円、米焼酎が900円。思っていたよりも安く作れそうです。

いよいよ作成!

台所に場所を移して。

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計量カップも用意。いよいよ元祖(?)ジャパニーズ夏カクテルの“柳蔭”を作ってみましょう。

味醂と米焼酎の割合は、文献によって様々なんですよね。1:2だったり、2:3だったり。焼酎のほうを多めにするというものが多かったです。

まあ、味醂の甘さを焼酎で薄めるのが柳蔭ですから、甘めが好きな人は味醂多めにしたでしょうし、さっぱりと飲みたい人は焼酎を多めにしていたでしょうし。

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と、その前に。まずは味醂だけを少し味わってみることに。どうしても『調味料』という概念から抜け出せないです。「元々は普通のお酒として飲まれていた」って、どうにも信じられない!?

なので、味醂だけひと口、クイッと…甘っ!黒蜜かよコレ!?っていうほどの激アマです!!

(つづく)

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