映像制作のボーダーレスの秘密

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ご当地情報・西日本編
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姫路の『手柄ポート』が、52年の歴史に幕を下ろすそうです

今回の記事は、日本中のごくごく一部の人にしか意味が分からないと思うのですが…“昭和”がまたひとつ失われていってしまう、ということで。

くるくる回る喫茶店、姫路の回転展望台『手柄ポート』がもうすぐ閉店するそうです。52年もの長きに渡り、姫路の街をくるくると見回っていたアレがなくなってしまうなんて。。。

街のシンボル的な存在

姫路駅からバスに揺られて15分ほど。

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姫路市手柄山(てがらやま)中央公園に到着。

ここは昭和41年(1966年)に開催された、『姫路大博覧会』のメイン会場だったそうです。博覧会の跡地を公園にしたということ。

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公園内には、水族館や植物園、野球場などさまざまな施設が。ただし、元々は手柄山という“山”だったわけですから、上り坂あり階段ありと、施設間の移動はイイ運動になるというか。けっこうシンドかったりもして。

その公園の麓から見えるアレ、

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小高い丘の上に、何やら印象的な建物が立っていますが。あれが“手柄山の回転展望台”です。おぉ、久しぶり!子供の頃から変わらない風景。

さっそく坂を登って展望台まで…

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車ならすぐなんですけどね、歩いていくと少々息が切れます。歳とったなぁ、昔ならアッというまに辿り着けたのに。まあとにかく、これが回転展望台です。

この展望台、その名の通り回転…しないのですが、内部のフロアが回転します。中華料理のテーブルみたいな感じといえば伝わるでしょうか。

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この窓ガラスの部分の展望台、中は喫茶店になっているのです。

もしかしたら記憶違いかもしれませんが、昔はレストランって言っていたような…まあ、それは置いておくとして。

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お店の名前は『手柄ポート』。くるくるまわる喫茶店です。

昭和の雰囲気が充満

この展望台も、姫時大博覧会のパピリオンのひとつだったそうで、つまり喫茶店も52年の歴史を持っているそうな…もちろん生まれるずっと前の話なので、よく分からないのですが。

でも、関西の人たち、特に兵庫県の西のほうの、いわゆる播州地方の人たちにはおなじみというか、ずっと大昔から当たり前に存在しているものです。

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エレベーターの横に掲げてあるメニュー表に、

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エレベーターのスイッチ。めっちゃ骨董品級レトロ。

内部もこんな感じ。

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『扇風機』って!?なんだかカッコいいです。

で、アッという間に展望台の喫茶店に到着。

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お店の入り口は無くて、エレベーターのドアが開けば即店内。まず出迎えてくれるのがこのショーケース。そうそう、こんな感じだったです!

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値段が高くて、子供ゴコロにも注文しにくかったパフェたち。

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昔は気付かなかったけど、こんなのもあったんですね。ビールにチューハイにウイスキー。少年少女の目線が届きにくい最上段に設置されているのがニクい!

でも、やっぱり、ここに来たらコレ頼みたいよ!

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ミートスパゲティかナポリタン(このお店ではイタリアンスパゲティーという)。いかにも昭和なサテンメニュー。

「どこに座っても同じですよ。回りますから。」と女性店員さんに促されて、そのへんに着席。

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先ほどから何度も書いているように、この喫茶店は回転しています。イメージしにくいかもしれないんですけれど、建物ではなく、店内のフロアが回転しているのです。

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こんな風に、フロアにはレールというか溝が。左側(お客さんの席側)が時計回りに、回転寿司のコンベアみたく回っています。『進行方向と逆向きの席に座ると、船酔いしたみたいになる』―手柄ポートあるある。

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いいですね、昭和なメニュー。

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ソーダ水もあるではないか。中を貨物船が通るんだよ!わからん人はお父さんかお母さんに聞いてみようぜ。

しかし、心はすでにスパゲッティー。なのに、オーダーしようとした瞬間に、「パフェやドリンクなどは全部出来ますが、食事のメニューはカレーしかありません。」と…

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いうわけでカレーライスを。いかにも喫茶店なカレー、これはこれで嬉しいです。

閉店が発表されるや、昔を懐かしむお客さんが押し寄せて、品切れになってしまうメニューも多いんだとか。パフェやアイスクリームなどの喫茶メニューはまだ大丈夫みたいですけどね。お食事メニューは平日はほぼカレーのみになっているそう。そうですよね、在庫を抱えすぎるわけにもいかないでしょうし。

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ただし、土・日・祝日は出来る限り全メニューを出せるように心がけているそうですよ。ぜひあの懐かしのスパゲティを味わいたい!という方は週末に!!

昭和を味わうひと時

食後のコーヒーを愉しみつつ、窓の外を。

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姫路の街を一望…とまではいきませんが、この手柄ポート自体が山の上にあるので、かなり遠くまで見渡すことができます。

しかも、回転していますから、座ったままで360度の眺望。

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姫路球場、めっちゃキレイになってる!改修したみたいですね。今は『ウインク球場』という名前になっているそう。プロ野球のオープン戦やウエスタンリーグの試合も行われる球場です。個人的には高校野球の予選、東洋大姫路のイメージかなぁ?

店内の風景もグルグルと回転。

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懐かしい雰囲気のキッチンまわり。

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釣り下がった照明もイイ感じです。

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デートの待ち合わせ場所には必要不可欠な公衆電話もあり。

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ガチャガチャも充実…

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ミニモニ。のガチャも!しかも矢口真里がリーダーの、前期の頃のものではないか!?のちのリーダー、ミカはもちろん、辻ちゃんも加護ちゃんもまだ在籍中!!

取材時にはまだ中に3個ぐらいはカプセル残っているように見えたのですが、今現在はどうなんでしょうか?急げハロヲタ。

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取り出し口がやたらと低い位置にあるタバコの自販機、

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まだまだマイルドセブン販売中…なワケないですよね、たぶんきっとメビウスが出てくると思う…いや、もしかしたら!?なんてことはないでしょうが。ちなみに店内全席喫煙可。この辺も昭和テイストに溢れています。

1周およそ14分。座ったままで姫路の街と店内の景色が変化していく、まさに未来を先取りしたような喫茶店だったのでしょうね…52年前は。

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半世紀以上も前から、姫路の街と人とを見守ってきた回転展望台と喫茶店。今となっては、お疲れ様でした、ありがとうございました!としか言いようがありません。寂しいですけどね。

週末は行列必至だそうですよ!

お勘定を済ませて。

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帰りはエレベーターではなく、横の怪しげな螺旋階段で地上へ。

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地面を歩くと足元がフラフラ。さっきまで回転していたんですから、当然のように平衡感覚的なものが失われている感覚。

「きゃ~、やっぱり船酔いしたみたいになるね~!」などと、彼女と感情を共有し、グッと親密感をアップさせられるのも手柄ポートあるある。

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よく見たら、建物はかなり傷んでいますね。この展望台の老朽化が、喫茶店の手柄ポート閉店の引き金になったようです。当初はこの建物ごと取り壊されるという噂もありましたが、

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そこはご安心を。この展望台自体は残されることが決まったらしいですよ。

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天気のいい日だと、青空にとっても映えるんですけどね、この回転展望台。残念!まぁ、展望台は今後も残るということなので、また今度来た時にキレイな写真を撮ることにして。

中にある喫茶店の『手柄ポート』は、今年(2018年)の3月25日に閉店します。

地元の友達に聞いたところ、現在、土日は大盛況で、並ばないと入店できないような状態だということ。この記事が公開される頃はちょうど閉店まであと1ヶ月ぐらい…『最後にもう一度行ってみたい!」と思っている関西近郊の皆さま、まだまだ寒い日が続きますから、温かい格好して挑みましょう!!

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