映像制作のボーダーレスの秘密

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ご当地情報・西日本編
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神戸の酒蔵は外国人観光客に大人気でした【前編】

兵庫県の神戸市にある、

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阪神電鉄 魚崎(うおざき)

この駅の南側の一帯は、『灘五郷』『灘の生一本』でおなじみの日本酒の名産地です。みなさんが一度は耳にしたことあるような有名なメーカーも、その多くがここに酒蔵を構えています。国内に流通する日本酒の3割近くがこの辺りで造られているという、まさに聖地!

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近ごろ、ここに外国からの観光のお客さんが集まっているとか、いないとか…ほんまかいな?関西に寄ったついでに、久しぶりに訪ねてみることにしました。

まずは櫻正宗へ!

魚崎駅から酒蔵の並ぶところ辺りまでは、

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並木道になっていたり、公園になっていたり。歩いているだけでも気持ちがいいです。時期によっては、甘いお酒の香りに包まれていることも。

そんな小路を、駅から10分も歩くかどうかのところにあるのが、

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櫻正宗記念館『櫻宴(さくらえん)

他の酒蔵に比べて落ち着いた雰囲気の玄関なので、ちょっと分かりにくいかも?

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櫻正宗(さくらまさむね)というメーカー自体も、もしかしたらあまり知られていないかも?この銘柄のお酒を置いてあるお店も、正直あまり見かけませんし。

しかし、実はこの櫻正宗、皇室御用達の由緒ある酒蔵。現在でも『春の園遊会』で振舞われるお酒は、この櫻正宗で醸造されたものだそうです。

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創業…いや創醸1625年ですから、400年近い歴史を持つ蔵元です。この地を日本酒の一大名産地に押し上げた『宮水』(みやみず。すぐお隣の西宮市に湧出する地下水で、日本酒造りに適した水とされている)を発見したのがこの櫻正宗。

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いわば、この兵庫・灘のお酒造りの元祖的な存在です。

以前、ここに勤めておられる方にお話を聞いたことがあるのですが…

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この櫻正宗、戦前ごろまでは国内での圧倒的シェアを誇る、一大日本酒メーカーでもあったそうです。それが戦後に経営方針を一転。儲け主義よりも、地域貢献や従業員の幸せを、そして“正しいお酒造り”を守りたいということで、

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思いきって経営の規模を縮小されたとか。今でも「日本酒はサクラ」と決めてるオールド愛好家も多い、老舗中の老舗ブランドです。

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建物内はそう広くはありませんが、さすがの歴史を誇る酒蔵、かつてまだ日本酒造りが全工程で手作業だった頃の器具がきれいに展示されています。

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空きビンの展示はよく見かけますが、ここ櫻正宗は中身もラベルも栓も当時そのまま。さすがに中のお酒の色は変わっていますが、時代を伝える貴重な姿です。
そして…日本の場合は特に、お酒の歴史イコール“広告”の歴史といっても言い過ぎではないでしょう。さまざまな酒造メーカーが日本の広告界をリードしていったという事実は見逃せません。

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テレビやラジオなどもなかった時代から、このような看板やポスターを使って、

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自社の製品を宣伝していたのでしょう。映像と広告は切っても切れない関係ですから、我々ボーダーレスのスタッフとしては興味津々の展示もたくさん。

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神戸・灘の酒蔵めぐりは、この櫻正宗記念館に限らず、どこも入場無料が基本。タダで楽しめるというのもポイント高いです。
そして、お土産物コーナー…というか、この酒蔵めぐりの場合は『直売所』が正しいのかも?

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それぞれの酒蔵でしか買えないような、レアなお酒から、

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アルコールに関係ない、たとえばこのような酒屋さんがよく着けている、

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前掛けやTシャツ、そして個人的にオススメなのが、このポン酢

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と、こんな風に、お酒を飲めない方もお買い物が楽しめます。酒に合うアテも、美味しそうなものがいっぱい置いてありますし。神戸の旅行のお土産を酒蔵で選ぶのも良いかも?
…そうそう、ひとつ大事なことを言い忘れてしまうところでした。

この櫻正宗はもちろん、神戸の“灘の酒蔵”のほとんどで、

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試し飲みができます。だいたい無料!もちろん当たり前ですが、車を運転される方はダメですが。

便宜上、神戸の酒蔵と書いていますが、実際は西宮市の一部も含まれているので、徒歩ですべての酒蔵を巡るのは距離的にちょっとシンドいかも?

なので、車があると移動がすごく楽なのですが、

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それでも、電車など公共の交通機関を使って来るべき!

日本酒って、蔵や銘柄によって味も香りもぜんぜん違います。飲み比べすれば、自分にピッタリ合った日本酒がきっと見つかるはず。神戸の酒蔵めぐりは徒歩もしくは数人で訪れてのタクシー移動がオススメです。

白鶴資料館へ

櫻正宗の絞りたてを試飲させてもらい…あぁ、美味しいなぁ。でも、今回は噂に聞くほど外国からのお客さんは居ませんでしたし…

 

なんてことを考えながら歩いていると、

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建物の間から、おなじみ白鶴(ハクツル)の看板が。この辺りを歩いていると、お酒に関する何かしらがすぐに目に入ってきます。

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『白鶴酒造資料館』があるようです。看板の案内に従って、

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こちらがその白鶴酒造の資料館の正面玄関。駐車場が広く、とってもスッキリとした外観です。

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アプローチも和風。瓦屋根に漆喰、渋墨の板壁は昔の酒蔵をそのまま利用したものでしょうか?植木も見事です。いいなぁ…

と、ここで、資料館から出てくる団体のお客さんたちとすれ違いました。驚きました。金髪の方とても多し!みなさん外国の人です。

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ガイドさんらしき日本人の方にお話を聞くと、フランス人が中心の酒蔵ツアーの団体さんだそうな。この観光バスの中、外国からのお客さんでいっぱいでした。

まさかフランス語で「あなたたちを撮ってブログに載せても大丈夫か?」なんて聞けもしませんでしたので写真はないのですが、やはり噂通りの人気みたいです、日本酒の酒蔵。

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でも確かに、私だってもしフランスに行ったら、ワインを作っていた修道院を見学してみたいですもんね。同じかなぁ?

しかも、この白鶴資料館は、外国からのお客さんに特に人気の高い酒蔵の一つなんだとか。

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パンフレットも英語や中国語版はもちろん、ベトナム語タイ語のものまで!駐車場も広いので観光バスも停めやすそうだし。

 

そして、人気の秘密はもう一点、

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このように、マネキン人形を使ったリアルなジオラマ。大きな仕込み樽の左側で働いているのは人間ではないですよ、人形です。

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こちらもそう。とってもリアルで、まるで人間が働いているように見えますが、これらもほぼ等身大の人形です。

日本酒造りに使われていた道具の展示はどこの酒蔵でも行われていますが、この白鶴ではリアルな人形が当時の作業風景をそのまま再現。

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たしかに、これだと言葉は必要ないですよね。見ただけで日本酒造りの工程がしっかりと学べます。

 

5月19日(金)公開予定の【後編】に続きます。

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