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【バンドブーム】アイドル的な支持を得ていたバンドたち 後編

前編に続き、アイドル的な支持を得ていたバンドたち 後編です。

 

UNICORN

概要

1986年、広島で結成。今では“奥田民生がボーカルをしていたバンド”と認識している人も多いが、バンドブーム当時は、メンバー全員がアイドル然とした風貌で雑誌の表紙を飾るイメージも強く、硬派な男性ロックファン達からは「ユニコーンなんてロックじゃないよ、ただの歌謡曲じゃん」と揶揄されることもあった。しかし、3枚目のアルバム「服部」で評価が変わり始める。なんの変哲もないおじさんをジャケット写真に登場させ、シングル盤の「デーゲーム」では坂上二郎とコラボレーション。当時のシーンにありがちだった、ただのタテノリビートバンドではない自由なスタイルを確立していく。以降のアルバムではメンバー全員に作詞・作曲能力があることを証明し、音楽ジャンル的にも、ただのビートロック系とは括れない、何でもアリのノンジャンルバンドへと評価を変えていく。

服部 1989年リリース

代表曲のひとつ「大迷惑」が収録されているアルバムです。作詞・作曲はもちろん、ボーカルまでも奥田民生以外のメンバーが担当しているナンバーもある、文字通りターニングポイントとなった一枚です。

この記事のテーマであるように“バンドマンたちのカッコ良さをアピールする”というのが当時の売り方の定番であった中、このアルバムジャケットがロックファンたちに与えた衝撃は絶大でした。

THE VERY BEST OF UNICORN 1993年リリース

ユニコーン解散後にリリースされたベストアルバム。「Maybe Blue」「大迷惑」「すばらしい日々」「働く男」などなど、メジャーな曲はほぼ収まっている、コストパフォーマンスの高いベスト盤だと思います。

ユニコーンのベスト盤は他にも出ていますが、ファンのセレクトだったり裏ベスト的なものだったりするので、1枚目に選ぶならコレかも?

BOOM 1987年リリース

音楽的に評価の高い4枚目のアルバム『ケダモノの嵐』とどちらをオススメしようか?と迷いましたが、バンドブームの話ということなので、敢えてファーストアルバムを。

これを聴いてから、のちのメンバーたちのソロ活動作品(特に奥田民生)を聴くと、かなり驚くと思います。いわゆる“普通の”ロックです。

今ではあまり語られることはありませんが、このアルバムの頃には女性メンバーがいました(ユニコーンのベーシストで、後にARBに加入するEBIと結婚)。

 

 BAKU

概要

1989年、当時まだ高校生だった4人が集まりバンド結成。その年の夏にはホコ天でブレイク、冬には当時インディーズ(アマチュアバンド)の登竜門だった、雑誌「宝島」が主宰するレーベル「キャプテンレコード」からミニアルバムをリリースし、翌年にはメジャーデビューが決定するという、今では考えられないスピードで出世していく・・・が、このスピードこそが当時のブームの象徴であり、悲劇であったとも言える。アマチュア時代に経験しておくべき音楽的な壁、それぞれの技術の進歩、ファンが求めるものとのギャップなどに翻弄されるように、1992年に実質活動期間わずか3年で解散。今回のテーマでもある“中高生たちの等身大のアイドル”のイメージそのままに、メンバーそれぞれの成長とともに、卒業後の進路もそれぞれバラバラになっていった。だが、短い活動期間ながらも、バンドブームを語る際には絶対に外せない“象徴的存在”ともいえる、インパクトの大きいバンドである。

ぼくたちだけの天国 1989年リリース

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インディーズ時代のミニアルバムです。BAKUの代表曲といえば「ぞうきん」ですが、メジャーデビュー後にリリースされたバージョンはアレンジが重厚すぎるので、個人的にはこの盤に収録されている方がオススメです。

そして、タイトルチューンになっている「ぼくたちだけの天国」も、メジャー後に新録されたものよりもコチラのほうが断然いいです。

隠れた名曲「夢なんて大キライ」では、ソロパートに縦笛が使われていて、これは今聴いても斬新。当時のインディーズの空気を知る上でも重要な1枚だと思います。

TIME AND TIDE~BAKU BEST SELECTION 1992年リリース

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“最初の1枚”ということで、ベスト盤です。解散時にリリースされたものなので、インディーズ時を除く彼らの楽曲すべての中からチョイスされた音源が収録されています。

「ぞうきん」「ピーターパン」といった有名な曲から、「SUPERらくがき」「サボテン」「復活のうた」「あした天気になあれ」などなどの隠れた名曲も。彼らが持っていた独特のポップセンスを再発見できる1枚だと思います。

ふたつめのはじまり 1990年リリース

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メジャー2枚目のミニアルバムです。上には書きませんでしたが、BAKUはメジャーデビュー直前にメンバー1人を交通事故で失っています。本作は実質3人になっての、再スタートともいえる1枚です。

「天までとどけ」「復活のうた」という、彼らにとっての決意ともとれる、切実な歌が収められています。「ぞうきん」に続いての彼らの代表曲ともいえる「ピーターパン」も収録。

これはアルバムバージョンで、中盤のギターソロにロックな“第九”が!ベタというなかれ、とてもカッコよくて一聴の価値ありです。

 

次回は”ギャルバン”

いかがでしたか?

今回はバンドブームの中でアイドル視されていったバンドについて紹介しました。

次回はバンドブーム時代を華麗に彩った、女のコたちが中心のガールズバンド、通称“ギャルバン”をピックアップしていこうと思います。

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