映像制作のボーダーレスの秘密

岡本 良太
岡本 良太
エンタメ
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実はヒューマンドラマなヒーロー映画『ダークナイト』

『バットマン』・・・

グレーのタイツに、♪バットマ~ン♪という、60年代テイストたっぷりのテーマソング!という、いかにもアメコミ感たっぷりのTVシリーズが思い浮かんだアナタは、もうそろそろ痛風とか老眼などが気になるお年頃でしょう。

僕は元々神戸っ子なもんですから、地元のローカル局・サンテレビで再放送されたりしてたのをよく観ていたもんです。

そんなバットマンが1989年に映画化!
しかも、1969年に公開されたTVシリーズの映画版以来の劇場化ですよ!僕にとっては初の映画化みたいなもんです。
バットマンも、あのダサいタイツ姿ではなく、全身真っ黒で、スタイリッシュで、えらくカッコいいし。

アメリカで話題だという前評判に、日本公開が待ち遠しくて仕方のない僕は、フライング気味にアメコミ版のバットマンTシャツなんか着ちゃったりして…。

主演が『ビートルジュース』のマイケル・キートンというのが、ちょっとだけイメージと違いましたが、『バットマンのテーマ』をサンプリングした、プリンスが歌うテーマソング『バットダンス』はラジオからばんばん流れ、いやがおうにも期待は高まる一方。

ベタなアメコミとは違う、シリアスな『バットマン』

そして遂に日本公開されたその内容は…アメコミと全然違うがな!
脳天気の「の」の字もなく、明るさのカケラもない。
暗い…。リアル…。シリアス…。

最高じゃないですか~!この影のあるバットマン。明るく健全な漫画チックなバットマンより断然いい!僕の琴線に触れた陰気なバットマン。この時から、ヒーローらしからぬバットマン映画に引き込まれていったんですよね。

この後、続編が3本作られましたが、第4弾となる1997年の『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』が興行的に失敗。ここでシリーズは一旦終了します。ファンからすれば、3作目からダークさが影を潜めた感もあって、これはもう仕方ないのかな・・・と。

以来、待つこと8年。2005年に設定をリセットした新シリーズ『バットマン・ビギンズ』が公開。よりダークになって帰って来ました!“ビギンズ”というだけあって、新シリーズの導入的な内容、バットマン誕生物語でした。

ファンとして熱く語りすぎましたね。前置きが長くなってしまいましたが、その第2弾がコチラ!

『ダークナイト』 2008年 アメリカ・イギリス共同制作

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監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、ヒース・レジャー

バットマンとなったブルース・ウェインが、やっと、やっと、ゴッサムシティで活躍する、待ちに待った本編…なんですが、完全に、ヒース・レジャー演じる適役のジョーカーに持ってかれてしましました。
1989年の第1弾『バットマン』では、ジャック・ニコルソンがジョーカーを演じ、その狂気っぷりは最高だったんですが、しかしまだコミックチックな雰囲気も残っていましたよね。

しかし、このヒース・レジャーのジョーカーには鬼気迫るものがあり、観る者の背筋を寒くし尽くします。たたずまい自体が“狂気”そのもの。ヒース・レジャーが公開前に急死したのも、迫真の演技を際立たせる要因になりました。
このあたりは『ブラック・レイン』の松田優作を思い出させます。

ヒース・レジャー(ジョーカー)の迫真の演技

ゴッサムシティで縦横無尽に振る舞うジョーカー。冷酷無比な強盗、殺人、トリック。バットマンを挑発し続けます。戦いのイニシアチブは常にジョーカーに。

しかも最悪なことに、バットマンは正義のヒーローどころか犯罪者扱いで、市民からは逮捕しろとの声が。凶悪なジョーカー対お尋ね者のバットマン。そこに明るいヒーロー像はありません。
警察に追われつつ悪とも戦う、正体は超・大金持ち御曹司のバットマン。フラストレーションがたまりまくりますが、そこはずばりドラマ性の高さでカバー!

で、その上、プロレスの“覆面はぎデスマッチ”の如く、ジョーカーは「バットマンが正体を明かさないと毎日市民を一人殺す」と言うではないですか!葛藤するバットマン。さあ、どうする!?

バットマンの苦悩を描く“ヒューマンドラマ”

子供の頃、目の前で両親を強盗に殺害されたバットマンは、心の中にダークなトラウマを秘めたヒーローという設定です。汚職や裏切り、正義の検事が悪へと落ちていく様子、そして恋愛がからんだりもして…。苦悩、苦悩の連続のバットマン。悪を叩きのめして、スカッと爽やかなヒーロー映画にあらず。

ちなみに、バットマンは、決して銃で相手を殺すことはしません。ボコボコにシバキはしますが。その足枷(?)が、観る者にある種の“じれったい感じ”を与えつつも、リアリティを生んでいるのではないでしょうかね。

バットマンという一人の人間の苦悩する姿を描く“ヒューマンドラマ”、それがこのシリーズ、『バットマン ビギンズ』から始まった新シリーズ3部作の魅力なのです。『ダークナイト』の続編、『ダークナイト ライジング』は、より深く、“ダークな魅力”に溢れた作品となっています。この新シリーズ、たまりません!

決して、ハッピーエンドとは言えない終わり方も・・・

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