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神戸のロック&アートを見守る『ミナエンタウン』【前編】

関西方面への、いわゆる“三都物語”的な旅行ガイドブックには、『夜景がキレイな、オシャレな港町』みたいに紹介されていることが多かったりもする、神戸。

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神戸出身者からすれば、「まあ、そう思って下さっているなら…」と、表面的にはまんざらでもない顔したりしつつも。

心の奥底では、「ちゃうねん、三宮とか北野とかハーバーランドとかと違うねん、ホンマの神戸っていうのは…」と、軽く忸怩ったり、もどかしい思いをしてしまうことも度々。

 

このような微妙な気持ち、神戸っ子ならば、そしてわが社の向井社長ももちろん、同調してくれるはずですきっと多分。

湊川へ

たとえば、

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神戸電鉄の湊川(みなとがわ)駅の周辺。

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市営地下鉄の湊川公園駅周辺といったほうが分かりやすいかも。

三宮?ハーバーランド?北野坂?違う違う、このあたりこそが、我ら地元民が思い浮かべる“リアルKOBE”のひとつ。この駅から少し北に行くと、神戸の台所『東山商店街』(メロンパン好きにはぜひ食べてもらいたい“サンライス”売ってます)があって、

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南側にはこれだ!ミナエンタウン。神戸のロック&アートシーンを、こっそりと日陰から見守る一角。こういう所にこそ、真のドブネズミ的美しさがあったりするのです。

不思議な建物、ミナエンタウン

ミナエンタウンとは、簡単に言うと3階建ての商業ビルなんですが。

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実際に訪れてみると、ぜんぜんビルらしい感じはしません。感覚的にはむしろ『三層構造になっている商店街』というほうが近いかも。

屋上部分は、このような公園になっていますが、

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ご覧の通り、建物の屋上ではなく、普通に地面というか地上。じゃあ、さっきのミナエンタウンの入り口は?というと、あれも地上1階。

『昔、ここには“湊川(みなとがわ)”という、いわゆる天井川があって、それを付け替え工事して…』なんていう話は、地元の人しか興味なさそうなので割愛。このあたりを訪れたならば、難しいことは考えず、異次元に迷い込んだような不思議な感覚を楽しんでもらえればと。

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ちなみに…この公園のすぐ真横には、オトナの歓楽街でもある新開地(しんかいち)への入り口のゲートが。

ミナエンタウンもエリア的には新開地の一部なのですが、今回はあえて別にして紹介します。このゲートの先こそが、リアル・ハードコア神戸とも言いたくなるようなスポットですので、機会があればまた別枠でゆっくりと紹介させていただきます。

昭和の風景がそのままに

では、いよいよミナエンタウンへと。

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先ほどの入り口から入ってすぐに、

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『神戸トロフィー』の前のゲーム!まだ残ってました!!

綿菓子になっているんですね、今は。僕が子供の頃は、賞味期限という概念すら無さそうなラムネ菓子が景品のクレーンゲームだったように思います。

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当時は10円とか20円とかだったような…100円なんですね。誰がこんなところで綿菓子を欲するのかは謎。

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ここはトロフィーとか盾(なんかの記念式典的なときにもらうやつ)を売っている“トロフィー屋さん”なのだそうですが、このビジネスもちょっと謎だったりします。

 

この並びの一番奥には、有名なプラモデル屋さんがあったハズなんですが…悲しいことに閉店してしまった模様。

店内にはギッシリとプラモデルが詰め込まれていて、店長さんだかオーナーさんだかに「店の中のプラモデルの数?そんなもん分かるかいな!」と逆ギレされるというステキなお店だったのですが。。。昭和は遠くになりにけり、ですね。残念です。

まるで『ダンジョン』のような…

さっき『三層構造になった商店街』と書きましたが、実際に足を踏み入れてみると、アドベンチャーゲームやRPGで味わうような、

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ダンジョンに迷い込んでしまった気分に。しかも、「ファミコン版の」ゲームのダンジョンというか、ところどころドットが甘いかんじ…

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外観や案内図を見てみるとシンプルな造りに思えるのですが。アチコチに繋がっていて、なぜか軽く道に迷ってしまうことも。

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非常に薄暗くて不気味なワープゾーン。

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何のためにあるのかよく分からない、ビル内の路地。

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「とる」または「しらべる」コマンドでも実行したくなるような、新聞紙が放置してある階段。意味ありげ。

まあ、そんなに敷地が広いわけではないので、迷ったところでたかが知れていますし。大昔はけっこうコワい目に遭うようなこともあったのですが、阪神・淡路大震災以降は随分と平和になったようなので、ウロウロしていても大丈夫だと思います、たぶん。

神戸のアングラロックシーンが

そんな風に、足の向くままに館内をウロウロしていると、

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こんなお店が。『Key West』というお店。入ったことはないのですが、お店の紹介などをチェックしてみると、どうやらパブレストランみたい…ですが。

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入り口付近には、ライブの告知やフライヤーなどがベタベタと。パブといってもお酒を楽しむだけの場所じゃなくて、どうやらロンドンの“100クラブ”みたいな、ライブハウス的なところ?ロックかつパンクな香りが漂ってきます。

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フライヤー類といっしょに、お客さん(たぶん)たちの顔写真を貼りだし、『よかったら、もって帰ってね』と、無料ブロマイド的にバラ撒くサービスも。

いちおう薄くモザイクかけましたが、現物はバッチリとキレイに顔が写っています。東京はプライバシーとかなんとか、ちょっとウルサすぎますよ。そんなこといちいち気にしないのが神戸のパンクス。

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こちらは貸しスタジオか。“ネコ”っていう屋号みたい。

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表札の役目を担う黒猫。年明けてだいぶ経つのに、まだクリスマスの残り香が。目玉がビー玉っぽくてちょっとコワい。

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別のお店の前には、鉄板コテ之介さんの1stアルバム『長田ソースシティ』の告知フライヤーが!!…存じ上げなくて申し訳ない。

 

あと、今回は昼間の訪問だったので寄りませんでしたが、神戸のアングラ音楽シーンでは有名な“一番星食堂”もこのミナエンタウンにあります。ネットではパブレストランとか食堂と紹介されていますが、実質はライブハウス。

ライブ中に突然楽器持ったお客さんがステージに乱入してセッション始めたり、ヴォーカルとギターの2人組がラジカセみたいなものから打ち込みのドラムを流しながらコピー曲を演奏(歌っているのはGLAYのナンバーなのに、形態はまるで空手バカボン)したりと、行くたびにドキドキが止まらない一番星食堂。

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元バンドマンなどが集まりやすいのでしょうか?このような、演奏できるお店が多いのもミナエンタウン。客同士のセッションを無理やり聞かされたりして、時には楽しく賑やかに、そしてまあまあうっとおしく感じたりもするのもミナエンあるある。

神戸の下町グルメを堪能

ロック、アート、そして場末感をもう少しお伝えする前に、ここらで腹ごしらえを。神戸の下町グルメといえば…

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先ほどの鉄板コテ之介さんが体現してくださっているように、お好み焼きだ!

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しかも、神戸B級グルメの決定版“そばメシ”でしょう!!

 

4月24日(火)公開予定の【後編】につづく

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