映像制作のボーダーレスの秘密

岡本 良太
岡本 良太
ご当地情報・西日本編
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歴史(オカルトも)好きな方に―京都の『明智藪』【後編】

>前編はコチラ<

 

駅の観光案内板にもちゃんと書いてあったし、観光協会の地図にも記載されているので、正式な名所・名跡であるはずなのに、

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駅を降りてから30分近く歩いて、ようやく見つけた明智藪への案内表示。もしかして見落としただけ?いや、たぶんそんなことはないはず…

と、ここからは矢印を頼りに歩いていったのですが。すぐに、扱いが小さい理由がわかりました。

とにかく住宅街のド真ん中にあるみたいです、明智藪。

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あまりにも住宅街すぎるので、写真撮りまくるのは控えましたが。一応は山すその一部という感じで、自然豊かな土地柄ではあるものの、矢印が指し示す先はこのような雰囲気。家と家の間の路地を縫って歩くようなイメージです。

そして、時おり、非常に分かりにくく

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一応の道案内。名跡ではあるものの、多くの観光客が大挙して一度に集まったりすると、住んでいる人たちに迷惑がかかることでしょう。なので、大っぴらに宣伝できないのではないのでしょうか。

 

事細かに説明しておいて、こんなことを書くのもどうか?と思いますが、一応念のために。

観光に来られる方は、地域の皆さまにご迷惑かからないよう配慮すべきだと思います。夜中に大人数で肝試しに来るなんてもっての他でしょう。

…本当に良かったです。若い頃、ここにたどり着けなくて。

 

家と家との間を縫うように歩いて、

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ようやく見えてきました。あれが明智藪のようです

本当の明智藪

本当に驚いたというか、正直、ちょっと引いてしまいました。

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「ここ、誰かの家の庭の中ではないか?」と思ってしまうようなところに建てられています、この石碑。広い画で写真を撮るとプライバシーを侵害してしまうんじゃないか?というような。すぐ真横は個人宅のガレージに面しています。

しかも、細い路地の奥にあるし、小さくて全く目立たないし。

いくら戦国大名のヒーローというべき織田信長に反逆した稀代のヒールとはいえ、あまりにも扱いが雑すぎないか!?あの明智光秀に対して。。。

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碑の奥には小道、そして竹薮。よく見ると、

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とても綺麗な字ですが、手書きで『明智藪』と。

本当の明智藪、【前編】でも触れた“ワタ出”はさらに奥にあるようです。

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鬱蒼と茂る竹。カズラやらバランも手付かずで伸び放題。

どこだろうか?その部分だけ竹が生えてこないという…

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一部分が空き地のようになっているという…

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ここか?光秀が切腹したのは。

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ここも、竹薮の一部分がポッカリと開けていますが、ペットボトルなどのゴミが散乱。。。さすがにバチ当たるで、こんなとこにゴミしたら。

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ていうか、ホンマに気持ち悪いよ、ここ

毎回言っているように、僕には霊感などは一切ありません。

しかし、そんな僕でも、この竹薮に漂う不気味な気配には耐え切れません。

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もう戻りましょう。

だいたい、真っ昼間のとっても天気の良い休日なのに、この竹薮の中だけ完全に無音状態。一切何の物音もしない不気味さよ・・・あまり面白半分に近付くようなところではないことだけは確かです、明智藪。

あまりにも扱いがひどい?

明智藪の周辺には、いくつか明智光秀にまつわる史跡があります。

たとえば、すぐ近くにあるお寺、

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本経寺には、光秀の魂を鎮める『日向守光秀公供養塔』があるそうなのですが。

お寺の関係者の方々の姿も見えず、供養塔もどこにあるのか分からず。

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想像していた以上に明智藪が気味の悪い所だったので、帰る前に手を合わせておきたかったのですが、断念。

もうひとつ、ここから2~3キロほど北に行ったところに、光秀の『胴塚』(首級を持ち去られた後の、胴体部分だけを埋葬した場所)があるそうなので、

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またまたこのT字路交差点『小栗栖牛ヶ淵』まで戻って。

明智藪に向かうときは、駅から来てこのT字路を“左折”でしたが、胴塚に向かうならばここを“右”(北の方角)へと向かいます。

なぜか数十メートルぐらい歩道のない、不思議な道を(かなり車通りは多いので事故に注意)まっすぐに。グーグルマップによると、大きな道路沿いにあるみたいなのですが…

ここもぜんぜん到着しない、というか、どこにあるのか分からない!!

スマホのマップが指し示す場所に到着しても、胴塚らしきものは見当たらない…

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あっちウロウロこっちキョロキョロと、かなりの時間探しまくって、ようやく見つけました。自販機と車の陰に隠れるようにひっそりと。これが明智光秀の胴塚みたいです。

道路側から見た胴塚はこんな感じ。

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真ん中に停まっているシルバーの軽バンの向こう側の、さらに少し奥まったところにあります。もちろん周囲に案内板などはありません。こんなもん見つけられるかっ!!

 

気を取り直し、あらためて胴塚を拝んでみますと。

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植え込みの木々は多少伸びすぎていますが、地面や拝石はとても綺麗に掃除してあります。水鉢にもちゃんと水が張られていますし。この地域に住んでいる人たちの、明智光秀に対する畏敬の念が伝わってきて、少し救われたような気になりましたけれど。

それにしても、もう何度も何度も書いていますけど。明智藪といい、この胴塚も、

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あまりにも、明智光秀の扱いが軽すぎやしないですか??

その出生すらよくわかっていない、若い頃はそう高い身分ではなかったとされる男が、たとえ13日間だったとはいえ、天下を手中に収める地位にまで上り詰めて。そんな、実は豊臣秀吉にも負けないほどのサクセスストーリーを歩んだ男の結末がこの状態だとは。光秀本人はあの世でどう思っているのでしょう。

まあ、常に裏切り者・反逆者というイメージが付きまとう人物でもありますから、そこは是非に及ばず、という感じなのかなぁ。

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この胴塚は大きな通りに面してますので、いつお参りしても大丈夫ではないかと。ヤン坊マー坊精米所が目印です。

正直、あまりオススメできません!

クドいですが、明智藪へは夜に行ったりしませんように。日中も静かにお参りすべきだと思います。祟りとか呪いとか以前に、近所迷惑で警察のお世話になってしまうかも?当然ですが、もし現地で何が起こっても、ボーダーレスは一切関知しませんのでご了承ください。

 

それよりも…こんなことをわざわざ伝えるべきかどうか迷うのですが。

正直、あまりオススメの観光スポットとは言い難いです。京都には他にも観ておくべき、訪れておくべきな場所がたくさんありますので、そちらに行っていただいたほうがよろしいかと。

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明智光秀ゆかりの地に行きたいのであれば、福知山市の御霊神社や長岡京市の勝龍寺城跡とか。思い切って坂本城跡に行くのもいいと思います。京都と滋賀って意外と近いですよ。

あやしい、心霊オカルトスポット的な場所をお望みならば、“丑の刻参り”で有名な貴船神社(実は縁結びの神様ですが)や深泥池、日本史上最強の鬼といわれる酒呑童子が祀られている首塚大明神などなど…京都はそのテの場所に事欠きませんし。

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もう何度も何度も京都観光しまくってて、「普通の上洛には飽きた!」というような方にだけ、こっそりと静かにオススメしておくことにします、明智藪。

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